SESとは？
SESとは「システムエンジニアリングサービス（System Engineering Service）」の略です。
以下がSESのビジネスモデルです。
①クライアントにエンジニアを派遣
②派遣料としてクライアントから報酬を得る
③その報酬からエンジニアに対して給料を支払う
【よく比較される企業】
自社開発企業：主に自社でサービスを開発している企業
受託開発企業：主に他社の依頼を受けて開発する企業
SESで働くメリット
多くの現場を経験できる
SESは派遣先の変更が可能です。
多くの現場を経験することができます。
多くの技術に触れることができ、スキルの幅が広がります。
多くの人と関わることができるので、人脈も拡大できます。
飽き性の方にとっても大きいメリットです。
ドライな人間関係
SES企業で働く場合、派遣先はクライアントです。
周りにいるのは上司ではなく、お客様です。
上司、部下、同期のようなウェットな人間関係ではありません。
一人の外部のプロとして扱われる傾向にあります。
ミスをして長時間詰められることは少ないです。
辞める際に強く引き止められることも稀です。
残業が少ない
エンジニアは派遣先と業務委託契約を結ぶことがほとんどです。
法律上、業務委託の労働者に残業を強制することはできません。
有給を却下することもできません。
もちろん度が過ぎれば、契約終了となるため注意は必要です。
有給に関しては派遣元に却下される場合があります。
社会保険や厚生年金に入れる
上記で説明したメリットは全てフリーランスエンジニアにも当てはまります。
SESにしかない最大のメリットは「社会保険や厚生年金に入れる」ことです。
配偶者が専業主婦で子供もたくさんいる場合、この恩恵は大きいです。
具体的にいくら得するのかシミュレーションしてみると良いです。
SESで働くデメリット
自由なスキルやキャリアを選べないリスク
SES企業での面接では「あなたの自由なスキルアップやキャリアアップを全力でサポートします！」と言われます。
その具体性や保証はどこにもないのです。
実際に入社してみたら「今はたまたまJava案件しかありません。Javaをやらないと永遠に仕事は取れないので、給与は振り込まれません」と言われることも普通にあります。
最悪の場合、いつまでもエンジニアと無関係の仕事をつかまされる可能性もあります。
【対策】
・過去に入社した人たちのレビューを複数確認する
・仕事を自由に選べる実力をつけてからSESで働く
スキルを深めにくい
SES企業で働く場合、周りにサポートしてくれる上司はいません。
困った時に多少周りに頼ることはできますが、良い顔はされません。
プロとして雇ったのに、仕事ができなければ当然の反応です。
【対策】
・自走できる実力をつけてからSESで働く
退社しにくい
会社を退社する場合、退職の履歴が残ります。
退職の履歴が増えすぎると、転職に不利になります。
実務未経験で入社した会社をすぐに退社すると、
次の就職で苦戦することになるので要注意です。
多少理不尽な人事にあっても辞めにくいという闇があります。
【対策】
・退社履歴が増えても問題ないくらいの実力をつけてから、SESで働く
給与が低い
SES企業で働くと給与は低くなりやすいです。
理由はSES企業の利益を引いた分が、労働者に振り込まれるからです。
クライアントに直接雇ってもらった方が、当然給与は高くつきます。
【対策】
・他の収入源を確保してから、SESで働く
収入が不安定
案件を契約終了となってから、次の案件が決まるまで時間が空いたります。
この間、収入が途絶える会社も多いのです。
【対策】
・待機期間の給与は入社前に必ず確認
・十分な貯金を用意してから、SESで働く
闇の深い企業が多い
・実務未経験者を雇いIT無関係の仕事を永遠に任せる
・辞める時に脅される
・待機期間は無休
全てではないものの、こんな企業が割とたくさんあります。
実務未経験者が、これらのブラック企業を見抜くのは至難の業です。
入らなきゃわからないような闇もたくさんあります。
【対策】
・ブラック企業を見抜ける力をつけてから、SESで働く
・最悪いつでも転職できる力をつけてから、SESで働く
SES企業で働くことに向いている人
実務経験が豊富な人
様々なリスクを紹介しましたが、そのほとんどを実務経験でカバーできます。
メリットに魅力を感じ、リスクをカバーできる自信があれば入社してもOKです。
配偶者が専業主婦で子供が多い
SES企業のメリットはほぼ全てフリーランスエンジニアに当てはまります。
フリーランスエンジニアの方が収入やリスクなどあらゆる面で優良です。
ところが、フリーランスエンジニアの配偶者が専業主婦で子供が多い場合は別です。
家族全員分の年金や社会保険を負担しなければなりません。
また、稼ぎ頭が倒れた時のリスクが非常に大きいです。
社会保険に入れるSESは選択肢の一つとなるのです。
副業での収入が大きい
フリーランスエンジニアとしての収入が900万円だとします。
その人が副業で600万円の収入が他にあるとします。
この場合もSES企業で働くメリットがあります。
上記の例だと合計1500万円の収入から150万円の消費税がかかります。
ところが、SESでの給与所得が900万円で、副業の事業所得が600万の場合、消費税の納付が免除されるのです。
また給与所得控除なども使えるので節税効果はさらに大きいです。
SES企業で働くことに向いてない人
実務未経験者
特殊な事情がない限り、実務未経験の方がSES企業で働くのは辞めましょう。
中には優良企業もありますが、それを見極めるのは至難の業です。
先述の通り、ブラックの可能性が高い上に辞めにくいです。
危険すぎるガチャガチャは回さないのが得策です。
金銭的な余裕がない
収入が途絶えるリスクを恐れてしまうと、不利な案件に流れてしまいがちです。
経済的な余裕があれば、断る勇気も生まれるものです。
まとめ
・SES企業は上級者向きの働き方なので、実務未経験者は避けましょう。
・実務経験者も「仲介料を渡してまで、SES事業で働くメリットがあるのか？」というのは慎重に判断しましょう。
